カシス大統領、岸田文雄内閣総理大臣や林芳正外務大臣と世界の安全保障と二国間関係について協議

Local news, 18.04.2022

4月18日(月)、イグナツィオ・カシス大統領は、岸田文雄内閣総理大臣や林芳正外務大臣と東京で会談を行いました。会談では、ウクライナでの紛争とそれに関連する欧州およびアジアにおける安全保障上の課題が議題となりました。さらに、国際機関における両国の任務、貿易や科学における協力などについても意見が交わされました。

イグナツィオ・カシススイス連邦大統領と岸田文雄内閣総理大臣
イグナツィオ・カシススイス連邦大統領と岸田文雄内閣総理大臣 ©Ayako Suzuki

カシス大統領と日本の代表者達は共通の価値観に基づく良好な二国間関係を確認しました。「日本とスイスは、民主主義、法の支配、多国間主義、法に基づく国際秩序を支持しています。私たちは今、これらの原則がますます問われる時代を生きています。私たちが共にこれらの原則のために立ち上がることが、より一層重要なのです。」とカシス大統領は述べています。両国は共に、2023年/2024 年度の国連安全保障理事会の非常任理事国への立候補を表明しています。

カシス氏は、法に基づく国際システムの強化に対するスイスのコミットメントを強調しました。中立とは、戦争犯罪の疑いや国際法の基本的な規範の違反に対して無関心であることを意味しません。この点を踏まえ、ロシアのウクライナへの侵攻と、それに伴う欧州やアジアの安全保障政策への影響について、議論が交わされました。

 

重要な貿易相手国

日本は、スイスにとってアジアで2番目に重要な貿易相手国(貴金属を除く)であり、2009年以来、自由貿易協定を締結しています。両国は本日の公式会談で、良好な貿易関係を維持していることを確認しました。カシス大統領は、現行のスイスの観点から、自由貿易協定を近代化することが望ましいと改めて述べています。

貿易、投資、技術革新、科学、デジタル化の分野における二国間関係の強化も、今回の大統領訪日の重要な目的の一つです。4月19日(火)、カシス大統領は小林鷹之経済安全保障担当大臣および牧島かれんデジタル大臣との個別の会談を行い、これらのテーマについてより深く意見を交わす予定です。

両 国 は 研 究 面 でも密 接 に 協 力しています。日本は、スイスの二国間研究協力において重要な国です。今回の大統領訪問では、日本学術振興会とスイス国立科学財団の間で、共同研究プロジェクトに関する協力覚書が締結される予定です。

 

3都市の訪問
東京での日程の後には、大阪と京都の訪問が控えています。火曜日には、在日スイス商工会議所(SCCIJ)の創立40周年記念行事への出席を予定。4月20日(水)には、カシス氏が率いる代表団が、大阪スイス領事館の起工式に出席する予定です。領事館は教育、研究、イノベーションのためのグローバルなスイスのネットワーク促進機関であるスイスネックス (Swissnex)の最新拠点としての役割も担っていきます。

このほか、2025年大阪・関西万博の運営主体者らとの懇談や、スーパーコンピュータ「富岳」の見学、関西圏のスイス人コミュニティとの交流会などが予定されています。さらに、4月21日(木)には、カシス氏が京都大学で「科学・イノベーションと外交の関係」について講演を行う予定です。

 

詳細:  Press release(英語) 、日本とスイスの二国間関係 (独・仏・伊・英)

イグナツィオ・カシス スイス連邦大統領と日本の林芳正外務大臣
イグナツィオ・カシス スイス連邦大統領と日本の林芳正外務大臣 ©Ayako Suzuki