2021年11月20日及び21日に開催された「大分国際車いすマラソン」にあたり、アンドレアス・バウム大使はフェリックス・メスナー領事とスイス大使館職員を伴い、大分を初訪問しました。大分では同日、当マラソン大会の40周年、及びスイスパラリンピック選手が大分で行った東京2020大会事前キャンプの成功を記念するスイスフェアも開催されました。
大分市は、2018年にスイスのホストタウンに登録されて以降、毎年スイスフェアを開催しています。スイスフェアの開催式では、大分市の佐藤樹一郎市長、日本・スイス友好議員連盟会長の衛藤征士郎議員、アルゲリッチ芸術振興財団の伊藤京子副理事長が挨拶を行いました。
バオム大使は、スイスフェアおよびマラソン大会の開会式で挨拶を行い、広瀬勝貞大分県知事や関係者らと交流を深めました。大使は、日本とスイスの関係における大分の重要性を強調し、スイスのパラリンピック陸上競技チームを歓迎してくれた大分市と大分県へ感謝の意を表しました。さらに、文化や教育、草の根レベルでの協力関係についても言及しました。また、大分市の佐藤喜一郎市長を表敬訪問したバオム大使とメスナー領事は、技術革新やエネルギーの分野における協力の可能性も示唆しています。
今年のスイスフェアでは、フェリックス・メスナー領事が、スイスネックスの拠点として新設された在大阪スイス領事館を紹介。また、コンテンポラリーなスイスのデザイングッズを紹介するブースや、アルゲリッチ芸術財団推薦アーティストによる演奏も行われました。
マラソン大会においては、「スイスの銀の弾丸 」ことマルセル・フグ選手が1時間17分47秒の世界新記録を樹立し、1999年にハインツ・フレイ選手が大分で打ち出した記録(1時間20分14秒)を22年ぶりに更新、大会3連覇で9度目の優勝となりました。2位には鈴木朋樹選手が1時間18分37秒の日本新記録で2位に入りました。女子フルマラソンでは、喜納翼選手が3回目の優勝を果たしました。
大分国際車いすマラソンは、日本パラリンピックの父と呼ばれる中村裕医師の提唱により、1981年の国際障害者年を記念してスタートした大会です。
本大会をきっかけとし、大分とスイスは特別な関係を築いてきました。これまで、ハインツ・フライ、マニュエラ・シャー、マルセル・フグなどのスイス人選手たちが何十年にもわたって本大会に参加し、29個の金メダルを獲得するなど、目覚ましい活躍を遂げています。